農漁村体験が一度に楽しめるスポット

蘭芝島は、大湖防潮堤建設前まで9つの島からなる西海岸の多島海として、素晴らしい景観を誇った。搗飛島は、この蘭芝島の9つの島のうち最も陸地に近い島で、大湖防潮堤の建設によって陸続きとなった。大湖防潮堤建設後、大規模な干拓地とともに陸地となった搗飛島。搗飛島には、海と陸、淡水湿地などの様々な自然生態資源が存在し、農村体験と漁村体験が一度に楽しむことができる唐津市の名所となった。

海と陸を跨ぐ最高の体験スポット

搗飛島の沖合は、引き潮の時に干潟が海に長く割れるため、まるでモーゼの奇跡のような、武昌浦の干潟と似た光景を見ることができる。従って、潮が引いて姿を現した干潟に沿って海の奥にまで入れるのが、搗飛島の干潟の特徴である。その上、様々な海の生物がいるため、生態体験を兼ねて貝、カニ、タニシ、タコなど、水産市場で目にしていた水産物を直接採ることができる。週末や休日には、これらの海産物がどのように暮らしているのか、どのように採ればいいのか、を疑問に思う子どもたちを連れた都市の人々で賑わう。

一方で、搗飛島東部は、唐津市石門面と瑞山市大山邑の間に造成された干拓地で、流域面積3,480ha中801haに該当する面積が環境農業師範地区に指定、運営されており、新しい生態の宝庫として浮上しつつある。干拓地の川や湿地とともに田畑も、第2の生物の生息地として生態的に干拓湿地の補完的役割を果たすものと知られており、実際に大湖干拓地の農耕地には渡り鳥の餌が豊富にあるため、多くの渡り鳥が観察できる。

食物連鎖、エネルギーと物質の流れ、野生動植物、水生昆虫などの生物の多様性を調べ、河川と湿地、農耕地を包括する多様な生態系に関する理解を必要とするならば、冬の渡り鳥が観察できる搗飛島の営農体験場を訪れるとよい。冬はバードウォッチング、春から秋にかけては、稲作や畑仕事をしながらタニシやどじょうを利用したエコ農法も体験することができる。そして、生物の活動が旺盛な春から秋にかけて搗飛島の生態公園では、周辺景観を楽しみながら湿地の生態系と田畑の生態系に関して調べることができる生態体験も実施される。

島の東部には広闊な干拓地、西部には大海が広がる搗飛島は、海と陸を跨ぐ最高の体験スポットである。

 

唐津の海洋レクレーションのメッカ、搗飛島

都市の人々と農漁村の人々の交流センターとして、環境農業の生きた教育の場に変貌を遂げた搗飛島は、海洋観光とレジャースポーツを楽しむことができる唐津海洋文化のメッカである。展望台、遊覧船船着場、彫刻公園などの便宜施設があり、沖合の景観は、“黄海の多島海”といわれるほどの美しさを誇る。

搗飛島において、海と陸を跨ぐ様々な体験をしながら本物の海洋性レクレーションを楽しむことができるのは、“岩盤海水風呂”の存在である。この海水風呂は、浸透圧現象によって体内の老廃物が除去され、毛穴の物理治療及びタラソテラピー(海洋療法)的効果も見られ、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ヨウ素、リン、亜鉛など、日常生活において食事ではなかなか摂取できない人体に有益な各種ミネラルが含まれているため、温泉と同じ効果が見られる。

栄養満点、搗飛島の珍味

搗飛島には美味しいものが沢山ある。団地内で営業している9つの飲食店では、各種刺身や郷土料理をメニューに取り入れて、訪問客を誘惑する。搗飛島が位置する石門面一帯の海辺は牡蠣の産地で天然の牡蠣がたくさん採れる。

牡蠣の産地であることから、牡蠣をメインとする郷土料理“牡蠣めし”が味わえる。銀杏、松の実、高麗人参、ナツメなどの堅果類と薬草、そして牡蠣を入れて炊いたご飯にタルレジャン(ヒメニラの入った醤油だれ)を落として食べる牡蠣めしは、免疫力をアップさせる栄養食として搗飛島グルメの中で一番人気である。

唐津を代表するグルメとして外すことができないメニューに、コモンガンギエイの和え物がある。食べやすい大きさに切った野菜とコモンガンギエイをヤンニョムで和えたもので、搗飛島の珍味を堪能したいと願う訪問客の期待に応えてくれる逸品である。

搗飛島には、訪問客のためのツアープログラムが沢山揃えられている。船に乗る海釣りと釣堀での台座釣り、搗飛島の海岸で楽しむ磯釣り、防潮堤水門前の水門釣り、大湖干拓地の湿地や河川でする川釣りなどの釣り体験プログラムの他にも、遊覧船を利用した海洋探査、夏季には蘭芝島海水浴場と共同で企画する海洋レジャースポーツなどのプログラムがあり、休養団地イチオシの海洋レクレーションプログラムである。
その他にも、マッド体験、カカシ作り、農路マラソン、ゴルフ体験、弓道体験、防潮堤マラソン、防潮堤インラインスケート、バッタ捕り、トンボ捕りなどの多様な体験プログラムと唐津市で開催される祭りをコラボしたフェスティバル・プログラムも運営される。