忠壮祠は、朝鮮中期の忠節の象徴である忠壮公・南以興（ナム・イフン）将軍の愛国忠節を称えるため、王命によって建立された祠堂です。南以興将軍は李适の乱を平定するのに多大な功績を挙げ、仁祖の時に丁卯胡乱が起こると、安州城で戦い、壮烈に戦死しました。ここでは、毎年10月に南以興将軍の護国精神と愛国愛族精神を後世に広く伝え、固有の民俗文化を普及させるため、南以興将軍文化祭が行われます。主なイベントとしては、南以興将軍行列の再現、民族馬上武芸、テッキョン、二十四班武芸の披露、吹打隊の公演や弓道大会があります。忠壮祠の入口には、600年以上の歴史を持つケヤキの保護樹が忠壮祠を案内するように見守っています。

祠堂の中には南以興将軍の遺影が奉安されており、祠堂の右側には旌閭閣があり、1979年に建立された遺物展示館もあります。この展示館には、袞龍袍や鹿裘、号牌など500点以上の遺品を保存した「忠成を慕う」という意味の慕忠館、墓所、古宅、神道碑などがあります。特に当時の戦況を実感させるのは、血のついた鹿皮方領袍（鎧の中に着る服）と上衣です。また、将軍の棺を覆った仁祖の袞龍袍は、大韓民国に一つしかない珍しい袞龍袍（褡𧞤）です。慕忠館は普段は開放されておらず、観覧を希望する場合は団体予約が必要ですが、南以興将軍文化祭の開催期間は、一般の方も自由に観覧可能です。南以興将軍文化祭は、愛国忠節の精神を高める教育的行事であり、唐津市民の手本となるイベントとして生まれ変わっています。